具現化職人
- 麻とは植物から作られる繊維の総称のことを指します。よく目にするリネンは亜麻科のフラックスを原料とした麻の一種です。
天然繊維なので繊維が偏っていたり、他の生地と比べると粗い織り方をしている物もあります。それもまた麻やリネンの風合いですが、均一な縫製には技術が必要です。
- 「ニット」と聞くと多くの人が「セーター」を思い浮かべると思いますがニットとは「一本の糸を編み込んで作られた布全般」を指します。織物に比べ組織がゆるやかなために、伸縮性に富み、シワになりにくく、着心地がよいのが特徴です。また、さまざまな編み方を組み合わせることによって、自由な柄が表現できるのもニットの良さと言えます。その反面保型が難しく、高い伸縮性を考慮した縫製技術が求められます。
- 楮、三椏、雁皮といった植物から漉かれた和紙を細かく切り、1本1本の繊維を紡ぎ出します。その繊維を撚りあわせた紙糸で織られた素材を指します。紙布の歴史は古く、始まりは江戸時代にさかのぼります。明治以降姿を消した紙布ですが近年、環境保護の観点から天然素材である紙糸や紙布は再び注目されてきています。
- アイソレーションガウン(医療用ガウン)やドレープ等に使用されるポリエチレン素材は、ポリエチレンフィルムにポリプロピレンをラミネートした構造の不織布です。
メチレンのくり返しのみで構成される性質上、防塵性・撥水性に優れ昨今の情勢から世界的に需要の高まっている素材です。
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River Fieldの新たな挑戦
事の始まりは以前から取引のある業者様からの「難しい案件があるのだが、御社にお願いできないだろうか?」という一本の電話でした。
それはとある有名プレタポルテ(高級既製服)ブランドの一着で、日頃から高難度の仕事にも積極的に取り組み技術力を積み重ねてきた私達には、他社の縫製に負けない技術と自信がありました。
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立ちはだかる複雑な図面と仕様の壁
発注を受け私達は早速縫製に取りかかりました。
その奇抜すぎるデザインは、型紙を見ただけではどのような順で縫製すれば良いのか、理解するのが難しい程複雑な案件でした。パーツを縫製するにも難易度の高いデザインに加え、素材の異なる高級薄物生地を組み合わせながら仕上げなければなりませんでした。私たちは、いかに無駄な生地を出すことなく、型紙通りの寸法で断裁し、正確に縫い合わせる事ができるか手腕が問われました。
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技術力とノウハウ総動員!
品質への執念
品質への執念
いかにして予算内で抑え、高品質なものを製品として届けることができるか?社内の技術スタッフと製造工程の緻密なミーティングを幾度も重ねました。そこで私たちは、自社の各縫製工程のスペシャリストを集結させ、専用の生産ラインを構築させました。通常案件の2~3倍の工数を要したものの、プレタポルテブランドに相応しい高品質の品を収めることが出来ました。
この経験をきっかけに、River Fieldでは「どんな難しい製品でも縫い上げる技術力」を高め、取引先からの信頼と、一目置かれる縫製会社へと変化しました。
その後も複数回にわたり発注をいただき、今後も新作デザインの依頼を楽しながら、縫製技術力を磨くため邁進していきます。